はじめに

1.はじまりはスイス、岸井牧師と
世界の教会を訪ねるスタートは、いまから20年前、1999年のスイスからです。スイスには、設計者なら一度は訪れたいいろいろの建築物があり、教会建築も有名です。

そこで、ジュネーブ在住の岸井敏牧師(元静岡ルーテル聖書学院長、元ルーテル世界連盟LWFアジア担当主事)に、教会やホテル、有名建築家の作品をぜひ見たいとお願いしたところ、
快く引き受けていただき、先生の自家用車ベンツで2回(1999年4月と2003年9月)もスイス全国を回ることができました。

2.岸井牧師はプロのガイド
先生は、定年後の1990年夏からはフリーのツーリストガイドとして単なるスイス観光のみでなく、赤十字や宗教改革などの研修ツアーに貢献、
聖地旅行などにも講師兼ガイドとして参加しておられ、奥様の典子夫人と、それぞれ10日間の全行程を通して、自らハンドルを握り、通訳ガイドの経験と牧師の豊富な知識で案内してくださいました。
二度にわたるスイス建築視察では、教会や高級ホテル(見学のみ)に前もって連絡をとり訪問の予約をいれ、下見に行き、効率的なルートを考え、スケジュール作成と、念入りな準備をして私たちを待っていてくださいました。
2回目の視察では、フランスまで足を延ばし、ル・コルビジェのロンシャン礼拝堂にも行きました。
ハードな日程をものともせず、行く先々で念願の建物を前に感動する私たちと共に喜び、先生夫妻と私たちの4人で旅を続けました。
その中の一つの教会を紹介します。
「小雨の降る中、山間の渓谷に沿い石ころの道を上っていき、カーブを曲がると木々の間にやっと小さな白い建物が見えた。標高1450mの山奥、ひんやりした空気の中にひっそりと建つ教会は、モニョのサン・ジョバンニ教会。
前の建物が雪崩により崩壊したため、1996年にマリオ・ボッタ設計により建設された。
円筒を斜めにスライスしただけというシンプルな外観、内部はトップライトからの光が白とグレーの石壁に差し込み、石の聖卓と木のベンチ、聖壇に十字架のキリスト像。」静寂の時を過ごしました。

3.ル・コルビジェのロンシャン礼拝堂
スイス視察を通して先生夫妻も建築熱に火がついて、有名な建築家、マリオ・ボッタやロンシャン礼拝堂で有名なル・コルビジェの大ファンになりました。
私たちが贈った「ヨーロッパ建築案内」の本に掲載されている建築をさがし、ご夫婦で訪ねては、例えばレマン湖のほとりにあるル・コルビジェの「母の家」に行って撮影した写真を送ってくださったり、
LWFの機関誌や腹話術の会報に建築コラムを寄稿したり、建築への興味は尽きないようです。

4.教会を見る時は、外まわり、裏手から
その後、教会の鈴木氏から紹介していただきドイツ、デンマークと、また元宣教師の案内でフィンランドとスウェーデン、アメリカと、訪れた国は今では80か国近くになりました。
私ほど世界の数多くの教会を訪れ、この目で見ることができた人はそんなに多くはないかもしれません。
建築を見る私の見方は、カメラとビデオ、最近は360度カメラも加わり、まず外部をぐるりとひとまわり、遠くから近くから、裏手から正面から念入りに見ます。
それからやっと内部へと入り観察しながら、無我夢中で写真を撮ります。
その間、アシスタントの妻は、教会の方やガイドさんから説明を聞いたり質問したり、パンフレットや掲示物を見ながら、建築年や設計者など手がかりを探し、メモします。

5.「FINE ROAD 世界のモダンな教会をたずねて」を出版
こうして訪ね歩いた世界の教会を、まずはCD4枚にまとめ、次に2008年写真集「FINE ROAD」をつくり、出版しました。ファインロードはつまり晴れた道、晴道です。
教会を訪ねる旅は、ライフワークになっています。
これは、1983年、アメリカの教会建築の権威ソヴィック先生(Dr. E. A. Sovik)のミネソタにある事務所で教会を学んだことがきっかけです。
マイナス30度にもなる寒い冬を思い出します。

6.東欧の木造教会
最近は、ルーマニア、ポーランド、ウクライナ、ベラルーシなど木造教会群にはまっております。
また、シルクロード、カトリック、正教会についても、もっと知りたいと思っています。動画をとりいれYou Tubeを利用して、孫たちの世代も関心を持つよう進化しています。
昨年「世界の教会の旅HP」を立ち上げ、教会以外にも町並み、美しい村、ホテルも加えて自分の足跡を記録に残したいと進めています。現在、電子書籍にも取り組んでいます。