FINE ROAD(88) ルーマニアの教会堂を訪ねて (2) ブゴビナィナ地方① アルボーレ修道院

FINE ROAD(88)
ルーマニアの教会堂を訪ねて(2) ブゴビナィナ地方①
アルボーレ修道院
訪問日 2017年3月26日

ルーマニアの国名の由来はローマからきている。ローマの支配以前、ダキア人という民族が暮らしており、それが後にローマ人と混血して形成されたのが現在のルーマニア人と言われている。ルーマニアで15世紀に成立したモルドヴァ公国は16世紀に黄金期を迎えた。オスマン朝の宗主権の下で自治を許された北モルドヴァ、ブコヴィナ地方には木造の修道院が多く建てられ、ルーマニア中世文化が花開いた。これは歴代の名君の安定した統治によるところが大きい。シュテファン大公は、オスマン朝軍に勝利するたびに神に感謝するため、ブコヴィナ地方に修道院の建設を行ったことで知られている。

 

 

ルーマニア北部のスチャヴァを中心としたブコヴィナ地方には、外壁をフレスコ画でおおわれた修道院が点在し、「五つの修道院」と呼ばれている。色鮮やかなフレスコ画とブコヴィナ地方独特の教会建築は、1993年に世界遺産にも指定されている。
私たちは、アルボーレ修道院、スチェヴィツァ修道院、モルドヴィツァ修道院、ヴォロネツ修道院、フモール修道院の順に5つを巡った。

 

 

①アルボーレ修道院
モルドヴァ公国の一貴族が創建した教会堂。1503年完成。
スチャヴァから西へ車で40分ほどの村、道路沿いにオーストリアの文化の影響を受けた色彩の美しい家々が並び、みぞれの降る中、修道院は静かに建っていた。
5つの修道院の中では建物が最も小さい。
屋根は亜鉛製。壁画のブルーの色はラピスラズリで描かれている。
500年前のフレスコ画が西壁によく残り、緑の芝生に映える。
「聖人たちの生活」と「創世記」などが描かれている。
近くにある新しい教会で礼拝しているとのこと。