③ウラジオストク港
ロシア ③
妻と100ヶ国を
2008・9・18 ロシア3
ウラジオストク港
静岡県ニュービジネス協議会視察
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ロシア視察見聞録 『戦車とコスモス』
曲がりくねったアムール川が、広大な平原に白く光っている。夕暮れを迎えたロシアの大地は茶色の土とくすんだ緑。新潟空港から約2時間で、ハバロフスク到着。午後7時過ぎでもまだ明るく、空港には出迎えの人々が大勢いる。タバコを吸う人、犬を連れた人、大きいダンボール箱を車に積み込む人、トヨタの車が多い。黄色に変わり始めた木々の葉が、きりっとした初秋の空気に包まれている。
2日目は、日本センターの黒坂氏よりロシアの経済状況についてお話を伺った。1992年のソ連崩壊後、ロシアの市場経済移行支援のため1994年に日本センターが設立された。今や時代が変わり、資源大国ロシアは経済発展めざましく、貿易投資の促進や、「こんなものが売れないか」という日本とロシアとの橋渡しを担っているとのこと。日本が輸入しているものは、大部分が石油、ガス、そして木材、魚、非鉄金属、日本からは中古車が輸出されている。最近はかなり新しい中古車が入ってくるという。日本の商品は、モスクワを経由するので流通経費がかさむためハバロフスクに来るまでに4~5倍の値段になるそうだ。1個1,000円の青森りんご、1本500円のチューリップ、日本で2,500~3,000円のコシヒカリは1万円でも売れるというのは驚きだ。
ロシアの平均賃金は月約7万円だが、金融や資源関係はもっと高給で、共稼ぎが多いので家族単位で見ると経済的には余裕がある。インフレがものすごい勢いで上昇しているが、賃金も毎年1割ぐらい上がり、旧ソ連時代の宵越しの金は持たない気質もあり、今まで見たことも買ったこともないものも買える市場経済時代になり購買力が上がっているという。
昔は新潟、青森しか極東へ来る人がいなかったが、最近は北海道、秋田、宮城、富山、福井、鳥取、島根、鹿児島からも極東との可能性を求めて視察に来るようだ。観光、お茶、花などはビジネスチャンスが期待できると思った。現地に暮らしている方の実感のこもったお話を聞く貴重な機会をいただき、大変有意義な時でした。
旅行中に聞いた興味深い話に、ロシアでは男性は頭、女性は首であるという。つまり、首の女が男を動かしているのだそうだ。また、平均寿命は男61歳、女65歳。高齢者をあまり見かけないわけがわかった。結婚は男28、29歳、女23~25歳が多く、3年以内に40%が離婚するらしい。子供は若いうちに一人か二人産む。家族のつながりは日本より強く、祖父母が協力してよく孫の世話をするという。
ハバロフスクは人口60万人の都市、大学は23あり、歩いているのは大部分若い人。ウラジオストックは、シベリヤ鉄道で12時間、人口68万人、やはり若者が多い。展望台鷲の巣から見た港の美しい眺め、要塞博物館に展示された大砲や戦車のそばに静かに咲いていたコスモスの花が忘れられない。長い脚、ハイヒールで颯爽と歩いている美しい女性、ベンチに並んで楽しそうに語り合うカップル、美術館から出てきたかわいい小学生たち、クレーンが立ち並ぶ工事現場、ヨーロッパのような街並みを見ても伸びていく勢いが感じられた。
隣の国であるのに全く知らなかった極東の地を訪ねることにより、テレビや新聞のロシアの報道に関心をもつようになりました。このたびの視察旅行に参加できたことを感謝し、関係の皆様に御礼申し上げます。 (2008.10.1)
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